batdance blog

それそれ、と思うものは、これ。

ブランドストーリー

ストーリーから、
売れるブランディングデザインは生まれる。

大塚製薬ソイジョイ、ポッカじっくりコトコト煮込んだスープ、
森永乳業森永のおいしい牛乳…などなどを手がける
バニスター細谷正人さんの日経デザイン連載が
目にとまりました。

細谷さんによると、ブランディングは…

顧客とブランドの未来に向けてお互いの共通認識を
持つことができれば成功する。
でも、多くは一方的なブランドビジョンの提案で、
イメージしにくい文脈で定義されている。
そこで、過去、現在、未来を顧客の目線で整理した
ブランドストーリーが要る。
そこでは、「行動」「性格」「思考」「解決」という
5つのプロットを使う。
人が「行動」「性格」「思考」に傾向を持っていて、
人生の途上で「紛糾(障害や問題、課題)」と
「解決」の経験を繰り返して成長していくのと同じように、
ブランドもこれを繰り返して成長するものですからね、と。

だいたいこういう文脈。

ブランドって、人間よりも立派な人なんだな。。。




もっと具体的に
あの「カルピス」を例にとって
実際に整理をしてくれてみてます。


1.「顧客が描く商品の原風景」は、こんな質問で引き出せる。

Q1 カルピスのあるその空間は、どんな様子ですか?
  時代はいつごろですか?
A1 幼初期のころ。真夏の暑い日の午後。家庭の縁側で。
Q2 何が、そこにはありましたか?人ですか?動物ですか?
A2 お母さんと兄弟たち。庭にはビニール製のプール・
Q3 どんなモノが周りにおいてありますか?
A3 おおきなヒマワリが咲いていました。水玉の包装紙がありました。
Q4 その空間にいると、どんなことがおきそうですか?
A4 兄弟たち、ホースで水をかけられそう。
  友達が家まで来て「遊ぼう!」と声をかけてきそう
Q5 その人や動物の感情はどうですか?怒っていますか?笑っていますか?
A5 お母さんは微笑んでいる。幸せそう。兄弟たちも楽しそう。
Q6 どのような香りやにおいがしますか?
A6 庭の芝のにおい
Q7 そしてあなたは、どんな気分になりましたか?
A7 昔の楽しかったころを思い出して、懐かしい気分


2.ブランドの原風景がストーリーの出発点

・幼少だったころ、みんなで楽しく飲んだ思い出。
・大好きなお母さんが作ってくれる飲み物。水玉の包装紙。
・喉が渇いていた時に、甘酸っぱくて、ごくごく飲めておいしい。


3.新しいストーリーを創る

1)過去

紛糾1)ターゲットやシーンが限定されすぎている?
紛糾2)カルピスは、なぜ健康に良くて、おいしいのかわからない?
紛糾3)昔、よく飲んでいた幼少期の飲み物。身近さが希薄?

2)現在

行動)
ブランドのる機能価値を
「主人公(カルピス)の行動(原動力)」
として置き変える。

「おいしさ」「健康」「安心」
「(うすめて何倍にもできる)経済性」

思考)
ブランドが持つビジョンや理念を
「主人公の思考(原点)」へと置き換える。

「カルピス」は誕生から90年余り
乳酸菌と生乳から生まれた健やかな
乳酸菌飲料

性格)
ブランドンの持つ製品以外の要素。
何らかの感情を引き起こすような要素を
「主人公の性格(イメージ)」へと置き換える。

母としての幸せな喜びと子供の楽しい気持ち。
小さいころに大好きな人とカルピスを一緒に飲むうれしさ。

3)未来

解決1)健康的な商品価値や由来の理解を促進する?
解決2)“母と子”“夏休み”のイメージ脱却?
解決3)利用シーンの積極提案、手軽さ?


4.カルピスの新しいストーリーとは?

“人と人とのつながり”を大切にし、
大好きな人(恋人)と一緒に飲むシーンや、
レンジで温めて簡単にホットカルピスを作るシーン
などを考える。
“母と子”“夏”だけの場面ではなく
本来の強みである健康的なイメージや
飲用シーンを広げて伝えていく。



うむ。